この記事の結論
- ポテンツァを導入しても患者が増えないときは、機器の性能より先に、患者から見た「この院で受ける理由」が施術ページ・広告・受付の説明に用意されているかを確かめます。
- 患者が来ない原因は「知られていない」「ページで選ばれていない」「問い合わせが予約にならない」「既存の患者に伝わっていない」の4段階に分けると、広告費を増やす前に直す場所が見つかります。
- 導入前に決めるのは、①誰のどの悩みに使うか、②医療法施行規則の広告基準と限定解除の要件に照らしてページと広告で何を書けるか、③回数・価格の見せ方と問い合わせから予約までの流れ・測る数字、の3つです。
ポテンツァを入れても患者が増えないのは、機器と「この院で受ける理由」が別物だからです
ポテンツァ(細い針と高周波を組み合わせたマイクロニードルRFと呼ばれる機器)を導入しても患者が増えない場合、原因は機器の性能とは別のところにあると考えるほうが、打ち手を見つけやすくなります。患者から見た「この院で受ける理由」が、施術ページ・広告・受付の説明にまだ用意されていない状態です。
患者はポテンツァという機器を買いに来るのではなく、ニキビ跡の凹みや毛穴の開きといった自分の悩みを相談しに来ます。ポテンツァを扱う院は貴院だけではないため、機器名を掲げて「導入しました」と告知するだけでは、患者が貴院を選ぶ決め手になりにくいのが実情です。
本記事では、導入後に患者が来ない理由を4つの段階に分けて整理したうえで、導入前に決めておきたい3つのこと——誰のどの悩みに使うか、ページと広告で何を書けるか、回数・価格の見せ方と相談の流れ・測る数字——を順に説明します。すでに導入済みの院でも、3つを今から決め直すことで立て直せます。
患者が来ない理由は、4つの段階のどこかで止まっています
導入後に患者が来ないときは、「知られていない」「ページで選ばれていない」「問い合わせが予約にならない」「既存の患者に伝わっていない」の4つのどこで止まっているかを先に切り分けます。止まっている段階によって直す場所がまったく違うため、切り分けをせずに広告費だけを増やすと、費用が増えても予約が増えないという状態になりがちです。
| 止まっている段階 | 起きていること | 確かめる材料 |
|---|---|---|
| 知られていない | 悩みの言葉で検索しても貴院の施術ページが出てこない。告知がホームページのお知らせ欄だけになっている | 施術ページの検索での表示回数(Google Search Consoleなど)、広告の表示回数 |
| ページで選ばれていない | ページは見られているが、機器の説明が中心で、どんな悩みの人向けか・何回・いくらかが伝わらない | 施術ページの閲覧数と、そこからの予約・問い合わせの数 |
| 問い合わせが予約にならない | 痛み・ダウンタイム・費用の質問に受付が答えきれず、予約の前に離れている | 問い合わせの数と予約の数、よく聞かれる質問の記録 |
| 既存の患者に伝わっていない | 他の施術で通っている患者が、導入したこと自体を知らない | 院内掲示や会計時の案内の有無、既存の患者からの予約の数 |
見落とされやすいのは4段階目の既存の患者です。他の施術で通っている患者は、すでに貴院を信頼して来院しており、診察や施術の合間にニキビ跡や毛穴の悩みを話していることもあります。新しい患者を広告で集める前に、院内で伝わっているかを確かめるだけで、費用をかけずに最初の予約が生まれることがあります。
決めること1:誰の、どの悩みに使うかを1つか2つに絞ります
導入前に最初に決めるのは、ポテンツァを「誰の、どの悩み」に使う機器として打ち出すかです。対象の悩みを1つか2つに絞ると、施術ページの見出し、広告の言葉、カウンセリングでの説明が同じ方向にそろいます。
ポテンツァは複数の悩みに対して使われている機器ですが、施術ページで対応できる悩みを全部並べると、読んだ患者は「自分の悩みに向いているのか」を判断できません。院長にとっては対応の幅が強みでも、患者にとっては焦点がぼやけて見えます。
絞り込むときの材料は、貴院の中にすでにあります。
- いま通っている患者から、相談を受けることが多い肌の悩みは何か
- 院長自身が、仕組みとリスクを含めて自信を持って説明できる悩みはどれか
- 貴院の他の施術と組み合わせて提案しやすい悩みはどれか
- 地域の他院の施術ページを実際に検索して見たとき、説明が手薄な悩みはどれか
絞った悩みは、患者が検索で使う言葉で書きます。機器の名前を知らない患者は「ニキビ跡 凹み」「毛穴 開き」のように悩みの言葉で探すため、施術ページの冒頭も、機器の説明より先に対象の悩みから始めるほうが、探している患者に届きます。機器名で調べてくる患者向けのページと、悩みで探す患者向けの入口を分けて考えておくと、ページの作り方で迷いにくくなります。
決めること2:ページと広告で書けること・書けないことを先に確かめます
2つ目は、施術ページと広告で何を書けるかを、導入前に医療広告の規制に照らして確かめておくことです。書ける範囲を知らないまま告知や広告を始めると、公開後に表現を直す手戻りが出て、集患の立ち上がりがかえって遅れます。
体験談と、誤認させるおそれのある治療前後の写真は広告できません
医療法施行規則第1条の9は、患者等の主観または伝聞に基づく治療等の内容・効果に関する体験談の広告と、治療等の内容・効果について患者等を誤認させるおそれがある治療等の前または後の写真等の広告を禁じています。導入の直後は「患者さんの声」や施術前後の写真を集めて早く載せたくなりますが、どちらも規制の対象になる点を院内で共有しておきます。
ホームページで詳しく書くには、限定解除の4つの要件を満たします
同規則第1条の9の2は、ホームページなどで広告できる事項の制限を外す「限定解除」の要件を定めています。ポテンツァを自由診療として提供する場合は、次の4つをすべて満たすように施術ページを作ることが前提になります。
| 限定解除の要件(規則の趣旨) | 施術ページで用意するもの |
|---|---|
| 患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイト等であること | 貴院のホームページ内の施術ページとして公開する |
| 患者等が容易に照会できるよう、問い合わせ先を明示すること | 電話番号・予約窓口をページ内に明記する |
| 自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容・費用等の情報を提供すること | 施術の内容、回数の目安、通う間隔、費用(税込・別途かかる費用を含む) |
| 自由診療に係る治療等の主なリスク・副作用等の情報を提供すること | 痛み、赤み、腫れ、ダウンタイムなど主なリスクと副作用 |
使う機器が国内で承認されているかを、導入時に確かめます
厚生労働省の医療広告ガイドラインでは、国内で医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を得ていない医薬品・医療機器を自由診療で使う場合に、限定解除にあたって追加で記載すべき事項(未承認であること、入手経路、国内の承認品の有無、諸外国での安全性に関する情報など)を定めています。導入する機器が国内で承認されているかどうか、どの経路で入手したかは、販売元の書類で導入時に確認し、施術ページに書く内容をその時点で決めておきます。
告知を人に頼むときは、院の広告だとわかるようにします
導入の告知を知人や発信者に頼んで投稿してもらう場合も注意が要ります。消費者庁は、一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示を、景品表示法上の不当表示として扱っています。依頼した投稿には院の広告であることがわかる表示を入れてもらい、投稿の中身も医療広告の規制に沿っているかを確認します。
個別の表現が規制に合っているかの最終判断は、厚生労働省の医療広告ガイドライン・Q&A・事例解説書の原文で確かめ、迷う場合は専門家に相談してください。本記事では、特定の広告表現が使えるかどうかの判断は扱いません。
決めること3:回数と価格の見せ方、相談の流れ、測る数字を決めます
3つ目は、回数と価格の見せ方、問い合わせから予約までの流れ、導入後に見る数字の3点を、導入前に院内で決めておくことです。ここが決まっていないと、施術ページの価格表と受付の説明が食い違い、せっかくの問い合わせが予約につながりません。
| 決めること | 決める内容の例 | 主に決める人 |
|---|---|---|
| 回数の目安の伝え方 | 複数回を前提にするかどうかを、施術ページとカウンセリングの説明でそろえる | 院長 |
| 価格の見せ方 | 1回の価格と複数回の価格を並べ、税込で書き、麻酔など別途かかる費用も明記する | 院長・事務長 |
| よく聞かれる質問への答え | 痛み・ダウンタイム・通う間隔・化粧ができる時期への答えを文書にして受付と共有する | 院長・受付 |
| 問い合わせから予約までの流れ | 電話・LINE・予約フォームのどこで受け、誰がいつまでに返すかを決める | 事務長 |
| 測る数字 | 施術ページの閲覧数、問い合わせ数、予約数、来院数、2回目の予約数 | 事務長 |
回数と価格は、予約の前に患者が迷いやすい部分です。1回の価格だけを大きく見せると、カウンセリングで複数回の話を聞いた患者が「思っていたのと違う」と感じ、予約をやめることがあります。ページの段階で回数の目安と総額の考え方を伝えておくほうが、来院後の説明が短く済み、患者の納得も得やすくなります。割引や他院との比較を表示に使う場合は、景品表示法の考え方に照らして根拠を確かめてから載せてください。
測る数字は、前述の4つの段階に対応させて記録します。閲覧数が少なければ「知られていない」、閲覧数はあるのに問い合わせが少なければ「ページで選ばれていない」、問い合わせはあるのに予約が少なければ「予約にならない」というように、数字を見ればどこで止まっているかがわかります。2回目の予約数は、1回目の施術と説明に患者が納得したかを映す数字として、導入の初月から残しておきます。
導入後に患者が来ないときは、費用のかからない所から順に見直します
すでに導入していて患者が来ない場合は、広告費を増やす前に、既存の患者への案内、施術ページ、問い合わせ対応、広告と検索の順に見直します。手前ほど費用をかけずに直せるうえ、手前で止まっている状態のまま広告を増やしても、増えた閲覧が予約につながらないためです。
- 既存の患者への案内:院内掲示、会計時の一言、LINEやメールでの案内が出ているか。対象の悩みを話していた患者に届いているか。
- 施術ページ:冒頭に対象の悩みが書かれているか。施術の内容・回数の目安・費用・主なリスクと副作用・問い合わせ先がそろっているか。機器の仕組みの説明が先に長く続いていないか。
- 問い合わせ対応:よく聞かれる質問への答えが院長と受付でそろっているか。問い合わせから返信までの時間が空いていないか。
- 広告と検索:広告の言葉と施術ページ冒頭の言葉が一致しているか。対象の悩みの言葉で検索したときに、貴院の施術ページが表示されているか。
見直しの結果、施術ページや問い合わせ対応に問題がなく、純粋に「知られていない」段階で止まっているとわかった時点で、広告の出し方を検討します。この順番で見ていくと、広告を始めたあとも、成果が出ない原因を広告以外の場所と切り分けて考えられます。
ととっぷの支援について
株式会社ととっぷは、美容医療を中心に50院以上のクリニックの集患を支援してきました。機器を導入したあとの施術ページの見直しや、広告運用の設計について、貴院の状況に合わせてご相談をお受けしています。
この記事のチェックリスト
ポテンツァ導入前後の集患準備チェックリスト
よくある質問
導入の告知に、初回限定の割引価格を出したほうがよいですか。
割引で最初の来院を増やせても、通常価格に戻したあとに2回目の予約が続くかは別の問題です。割引を出すなら、通常価格の根拠や割引の条件が景品表示法の考え方に照らして問題ないかを、消費者庁の公表資料で確認してから載せてください。まずは割引なしで、対象の悩み・回数の目安・費用が伝わるページになっているかを先に整えるほうが、導入後の集患が安定しやすくなります。
導入したことを、いま通っている患者さんにどう伝えればよいですか。
院内掲示、会計時の一言、LINEやメールでの案内の3つが、費用をかけずにできる伝え方です。LINEやメールの告知文も医療広告の規制の対象になり得るため、効果を言い切る表現や体験談を入れず、施術ページと同じ基準で書いてください。他の施術で通っている患者のうち、対象の悩みを話していた方に絞って案内すると、押し付けがましくなりません。
症例写真は、導入後いつから載せられますか。
医療法施行規則は、患者を誤認させるおそれがある治療前後の写真の広告を禁じています。載せる場合は、施術の内容・費用・主なリスクと副作用などをあわせて書くことが求められ、詳しい条件は厚生労働省の医療広告ガイドラインの原文で確認が必要です。あわせて、写真を使うことについて患者本人の同意を書面で取っておいてください。
近くの院もポテンツァを入れていて、うちより価格が安いです。合わせるべきですか。
価格を合わせる前に、貴院のページが「どの悩みの人に、何回くらい、いくらで」を具体的に伝えているかを見直すことをおすすめします。同じ機器でも、対象の悩みの絞り方、説明の丁寧さ、他の施術との組み合わせで、患者が院を選ぶ理由は変わります。価格だけで比べられる状態のまま値下げすると、利益が減るうえに、次に値下げした院に患者が移りやすくなります。